肩の痛み
肩の痛み

肩の痛みや違和感は、日常生活のさまざまな動作に影響を及ぼす身近な症状です。
腕を上げる、物を取る、衣服を着替えるといった動作はもちろん、就寝時の姿勢によっても痛みが出ることがあり、生活の質(QOL)を大きく左右します。
原因は、加齢による関節や筋肉の変化、使いすぎによる炎症、スポーツや外傷による損傷など多岐にわたります。特に近年では、デスクワークやスマートフォンの使用増加により、肩まわりの筋肉に慢性的な負担がかかり、不調を訴える方が増えています。
また、「そのうち治るだろう」と様子を見ているうちに関節の動きが悪くなり、腕が上がらなくなるなど、症状が進行してしまうケースも少なくありません。
肩の痛みは早期に適切な対応を行うことで、改善や回復が期待できる場合が多くあります。違和感や軽い痛みの段階でも、お気軽にご相談ください。
当院では、寝屋川市を中心に地域密着型の整形外科として、肩関節疾患の診断・治療・リハビリテーションを行っております。症状の原因を丁寧に評価したうえで、お一人おひとりに適した治療をご提案いたします。
中年以降、とくに50歳を過ぎたころに症状が出現しやすいため五十肩とも呼ばれています。加齢や過労により、肩関節を包む袋(肩関節包)の中で炎症が起こることによって、痛みが生じると考えられています。ときに夜間痛で眠れなくなったり、腕を高く上げることや回すことが困難になったりして日常生活に支障がでてきます。関節が癒着して動かなくなることもあります。急性期は安静と、消炎鎮痛剤の内服や痛み止めの注射で痛みを緩和します。急性期を過ぎてからはホットパックなどの温熱療法、また、拘縮(こうしゅく)予防や筋肉を強化するための運動療法を行います。
肩腱板とは、肩を動かすための筋肉の総称で、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)、肩甲下筋(けんこうかきん)という4つの筋肉の集まりをいいます。肩はこれらが協調して動きますが、怪我や使いすぎなどで切れてしまった状態が肩腱板断裂です。スポーツや使いすぎなどによって自然に起こる断裂は、初期は肩を動かしたときに痛みを感じます。断裂した腱板が擦れることで痛みが生じるため、肩を上げる角度や手の位置によって痛みが出たり出なかったり、といった特徴があります。断裂部分が広がると、肩を動かすたびに痛み、力も入りにくくなります。炎症が起こると肩を動かさなくても常に痛みます。五十肩と症状が似ていますので、鑑別には注意が必要です。
治療
怪我によって断裂した場合には、基本的に手術や関節鏡(内視鏡)を使って縫合します。自然に断裂した場合は、症状によってリハビリを中心とした保存的治療を行う場合と、手術によって治療する場合があります。
変形性肩関節症とは、肩関節の軟骨が加齢や長年の使用によってすり減り、関節が変形してしまう病気です。膝や股関節ほど頻度は高くありませんが、中高年の方を中心にみられ、肩の痛みや動かしにくさの原因となります。肩関節の軟骨がすり減ることで骨同士が擦れ合い、炎症や変形が進行します。また、肩腱板断裂を長期間放置した結果として起こる「腱板断裂性肩関節症」を発症することもあります。
初期には、肩を動かした際の違和感や軽い痛み程度ですが、進行すると肩を動かすたびに痛みが出現し、腕が上がらない、後ろに手が回らないなど日常生活に支障をきたします。さらに症状が進行すると、安静時痛や夜間痛が出現し、睡眠に影響することもあります。
診断にはレントゲン検査を行い、関節の隙間の狭小化や骨棘形成(こつきょくけいせい:骨のとげのような変化)などを確認します。
治療
消炎鎮痛剤の内服や注射治療、リハビリテーションなどの保存的治療を中心に行います。肩関節周囲の筋力を維持し、関節への負担を軽減することで症状の改善を目指します。変形が高度で日常生活に大きな支障をきたす場合には、人工肩関節置換術などの手術治療が検討されることもあります。
石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板内にリン酸カルシウムの結晶(石灰)が沈着し、強い炎症を引き起こす病気です。40~50代の女性に比較的多くみられ、「突然肩が激痛で動かせなくなった」という症状で受診されることが少なくありません。
肩腱板の中に沈着した石灰が急激に炎症を起こすことで、非常に強い肩の痛みが出現します。夜間痛が強く、眠れないほどの激痛になることもあります。また、肩を少し動かすだけでも痛みが強く、腕が上がらなくなる場合があります。五十肩と似た症状を示すことがありますが、石灰沈着性腱板炎では急激に発症する激しい痛みが特徴です。
診断にはレントゲン検査が有用で、肩の腱板部分に石灰沈着を確認できます。
治療
消炎鎮痛剤の内服や注射治療によって炎症と痛みを抑えます。急性期の炎症が落ち着いた後には、肩関節が硬くならないようリハビリテーションを行います。多くの場合、適切な治療によって改善が期待できます。
上腕二頭筋長頭腱炎とは、力こぶを作る筋肉である上腕二頭筋の腱に炎症が起こる病気です。上腕二頭筋には「長頭腱」と「短頭腱」がありますが、特に肩関節内を通る長頭腱は負担がかかりやすく、炎症を起こしやすい部位です。
症状としては、肩の前方に痛みが出現し、腕を上げる動作や物を持ち上げる動作で痛みが強くなります。肩の前側を押さえると痛みが出ることが特徴で、進行すると、安静時にも痛みを感じる場合があります。
治療
まず安静やスポーツ・負荷動作の制限を行い、消炎鎮痛剤や湿布などで炎症を抑えます。また、リハビリテーションによって肩関節や肩甲骨周囲の動きを改善し、肩への負担を軽減していきます。症状が強い場合には注射治療を行うこともあります。多くは保存的治療で改善しますが、腱の損傷が強い場合には手術治療が必要となることもあります。
肩関節脱臼は、いわゆる「肩が外れた状態」のことをいいます。外部から強い力を受けることで上腕骨頭(じょうわんこっとう:半球状の関節面)が関節の外に押し出されることで起こります。
脱臼した直後は肩関節に強い痛みが生じ、関節の動きが制限され、全く動かせなくなることもあります。神経を損傷していると、しびれを伴うこともあります。脱臼を整復し損傷部位が修復されれば普通に動かせるようになりますが、その後も日常生活やスポーツ活動において脱臼を繰り返し、そのために活動が制限されるようであれば、手術が必要になることもあります。
野球肩とは、主に野球の投球動作を繰り返すことによって生じる肩関節障害で、野球以外でもテニスのサーブやバレーボールのアタックなど、腕を大きく強く振る動作を繰り返すスポーツで生じることもあります。肩関節を構成している骨や軟骨、筋肉や腱の損傷が原因で起こります。ジュニア期には特有の病態として上腕骨近位骨端線離開(じょうわんこつきんいこったんせんりかい:リトルリーグショルダー)があります。子どもの骨には骨端線という成長軟骨があり、この部分は力学的に強度が弱く、過度に負荷がかかることで損傷します。初期は骨端線が少し広がる程度ですが、進行すると骨頭と呼ばれる部分がずれて骨の変形が起こり、ひどくなると骨折することもあります。診断にはレントゲン検査が必要となります。野球肩の痛みは投げる時に起こり、安静にしていれば痛みません。
治療
基本はリハビリを中心とした保存療法で、投球フォームの見直しや体幹トレーニングなど肩以外のコンディションも整えていきます。
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