足・足関節の痛み
足・足関節の痛み

足の痛みや違和感は、歩く・立つ・体を支えるといった基本的な動作に関わるため、日常生活に大きな影響を及ぼす症状です。
足は全身の体重を支え、衝撃を吸収する役割を担っており、長時間の立ち仕事や歩行、運動などによって常に負担がかかっています。
そのため、筋肉や関節、腱、靱帯などに疲労が蓄積しやすく、痛みや腫れ、違和感として現れることがあります。症状が進行すると、歩きにくさやバランスの取りづらさにつながり、転倒のリスクが高まることもあります。
原因としては、加齢による変化や筋力低下、足の形(扁平足や外反母趾など)、合わない靴の使用、スポーツや外傷など、さまざまな要因が関係しています。
足の症状は、早期に適切なケアや治療を行うことで改善や予防が期待できます。違和感や軽い痛みの段階でも、お気軽にご相談ください。
当院では、寝屋川市を中心に地域密着型の整形外科として、足関節疾患の診断・治療・リハビリテーションを行っております。症状の原因を丁寧に評価したうえで、お一人おひとりに適した治療をご提案いたします。
捻挫とは、関節に外力がかかり靱帯や腱などの軟部組織や軟骨が損傷することをいいます。X線(レントゲン)検査で、骨折や脱臼などの異常が認められない関節の怪我の多くは、捻挫という診断になります。捻挫は全身のあらゆる関節部位で起こりますが、最も多くみられるのが足関節(足首)です。走っている最中の急な方向転換や転倒、交通事故や段差の昇降時の踏み外しなど、きっかけは様々です。主な症状は、患部の腫れと痛みで、靱帯の損傷が大きいほど強くなる傾向にあります。皮下や関節内に出血や熱感などを伴うこともあります。
典型的な足関節の捻挫は、足首を内側にひねることによって生じる足関節内反捻挫です。足関節の外側(外くるぶしの付近)にある前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)が、引き伸ばされたり、一部が切れたりすることで起こります。
治療は軽症では、「RICE処置※」と呼ばれる応急処理を行います。この処置を行うことで腫れや損傷部位の拡大、内出血などを抑えることができます。重症ではRICE処置を行い、さらに2~3週間固定することがあります。基本的には手術を行わない保存的治療が選択されますが、不安定性が残存する場合は手術が検討されます。
Rest(安静)
まず運動を中止して安静を保つようにします。むやみに患部を動かさないようにテーピングなどで患部を固定します。
Ice(冷却)
氷を入れたビニール袋やアイスバッグなどをタオルなどで包み、患部を冷却します。
Compression(圧迫):患部に弾性包帯やテーピングなどを巻いて圧迫ぎみに固定し、腫れや内出血を最小限に抑えます。固定が強すぎると血流障害や神経障害を起こすため、しびれや皮膚・爪の色(青白くないか)を確認しながら行います。
Elevation(挙上)
クッションなどを使って、患部を心臓より高い位置に保ちます。これにより内出血による腫れを防ぐことができます。
捻挫をしたときには、速やかにRICE処置を行い、医療機関で適切な検査や治療を受けることが大切です。
外反母趾とは、足の親指(母趾:ぼし)の付け根が隣の指(第2趾:人差し指)側に屈曲し、母趾の関節が足の内側に突出した状態をいいます。親指が隣の指に向かって20度以上曲がっているものを外反母趾とすることが一般的です。靴との摩擦で突出した部分に腫れや強い痛みが生じるため、靴を履いた歩行に支障を来します。進行すると足裏の第2趾の付け根付近にタコができたり、母趾が第2趾や第3趾(中指)の下に潜り込んで、母趾の付け根の関節が半分脱臼した「亜脱臼」という状態になったりすることもあります。女性に多くみられる疾患です。
原因としてはハイヒールなどの先の細い靴やかかとの高い靴の影響が最も考えられます。関節リウマチの合併症で生じたり、加齢による筋力の低下などによって足のアーチ構造が崩れたりすることも原因になります。また、遺伝的な要因として、足の形や足指間の靭帯・筋肉の緩み(弱さ)による軟部組織のアンバランスなどが考えられます。
治療には保存的治療と手術による根治治療がありますが、多くの場合、保存的治療が選択されます。保存的治療では、足先が細く、ヒールの高い靴を避け、関節の突出部分がこすれない幅広の靴を選ぶといった靴の指導、親指を支えている母趾外転筋という筋肉を鍛える体操や関節を柔らかくするストレッチなどを行います。また、外反母趾を矯正するための装具や足のアーチ構造を守るための足底板などを用いることもあります。
アキレス腱は、足首の後面にある人体の中で最も太い腱で、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつないでいます。アキレス腱断裂とは、その一部(部分断裂)またはすべて(完全断裂)が切れた状態のことです。30~40歳代が受傷の好発年齢ですが、10代から高齢者まで幅広い年齢で起こる可能性があります。スポーツ活動中に、踏み込み、ダッシュ、ジャンプ、ターンといった動作で、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋:かたいさんとうきん)が急激に収縮して、アキレス腱に強力な牽引力がかかったり、着地動作などで急に筋肉が伸びたりしたときに断裂が起こります。階段を踏み外したときなど、スポーツ以外の日常動作でも起こることもあります。
受傷時には、後ろから「蹴られた」「バットで殴られた」「ボールをぶつけられた」といった衝撃を感じることが多く、「破裂したような音がした」など断裂の音を自覚することもあります。受傷直後は痛みのため受傷肢に体重をかけることができず、転倒したり、しゃがみ込んだりしますが、少し時間がたつと痛みが強くない場合は歩行することができます。歩行が可能な場合でも、ふくらはぎの筋肉がうまく作用しないため、つま先立ちができなくなるのが特徴です。
アキレス腱断裂の治療には、ギプスや装具を用いて治療する保存的治療と、断裂したアキレス腱を直接縫合する手術治療があります。
足底腱膜炎とは、足の裏にある「足底腱膜(足底筋膜)」に炎症が起こり、かかと周囲に痛みを生じる病気です。足底腱膜は、かかとから足の指に向かって広がる強い膜状の組織で、歩行時の衝撃吸収や土踏まずの保持に重要な役割を果たしています。
ランニングや長時間の立ち仕事、スポーツによる使いすぎ(オーバーユース)が原因となることが多く、体重増加や加齢、足の柔軟性低下、合わない靴なども発症に関与します。
症状としては、かかとの内側や足裏の痛みが特徴で、特に「朝起きて最初の一歩が痛い」という症状が典型的です。長時間座った後の歩き始めや、運動後にも痛みが強くなることがあります。
進行すると、歩行時に常に痛みを感じるようになり、日常生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあります。
治療は、安静や運動量調整、ストレッチ、リハビリテーションなどの保存療法が中心です。特にアキレス腱や足底腱膜のストレッチが重要となります。また、インソール(足底板)やクッション性の高い靴を使用することで足底への負担軽減を図ります。
症状が強い場合には、消炎鎮痛剤や注射治療を行うこともあります。
偏平足とは、足裏の土踏まず(内側縦アーチ)が低下または消失した状態をいいます。小児では成長過程でみられることもありますが、成人では加齢や筋力低下、靭帯のゆるみなどによって発症することがあります。
偏平足になると、本来土踏まずが担っている衝撃吸収機能が低下し、足や膝、腰への負担が増加します。
症状としては、足の疲れやすさ、足裏の痛み、長時間歩行時のだるさなどがあります。進行すると、足首の内側の痛みや外反母趾、膝痛、腰痛の原因となることもあります。
特に成人期の偏平足では、後脛骨筋腱機能不全(こうけいこつきんけんきのうふぜん)を伴い、徐々に変形が進行する場合があります。
治療は、インソール(足底板)によるアーチ支持、ストレッチ、筋力訓練、リハビリテーションなど保存療法を中心に行います。体重管理や靴の見直しも重要です。変形が進行し日常生活に支障をきたす場合には、手術治療が検討されることもあります。
開帳足とは、足の横アーチが低下して足幅が広がった状態をいいます。特に中年以降の女性に多く、ハイヒールや加齢、筋力低下、長時間の立ち仕事などが原因となります。
正常な足には、縦アーチだけでなく横方向のアーチ(横アーチ)も存在しており、歩行時の衝撃を分散しています。しかし、開帳足では横アーチが崩れることで前足部に負担が集中し、さまざまな症状を引き起こします。
症状としては、足裏の前方(中足骨頭部)の痛みや胼胝(たこ)、足の疲労感などがあります。特に歩行時や長時間立っている際に痛みが強くなります。
また、開帳足は外反母趾やモートン病、足底腱膜炎などの原因となることもあります。
治療は、足底板(インソール)によるアーチサポート、靴の見直し、ストレッチ、足趾訓練などを行います。足の筋力低下を改善し、足裏への負担を分散することが重要です。
足の痛みや変形を放置すると、歩行バランスの悪化や膝・腰への負担増加につながることがあるため、早めの対応が大切です。
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