膝の痛み
膝の痛み

膝の痛みや違和感は、歩く・立つ・座るといった日常動作に直結するため、多くの方が悩まれる症状のひとつです。
体重を支える重要な関節であり、日常的に大きな負担がかかるため、加齢や使いすぎによって痛みが生じやすい部位でもあります。
症状が進行すると、歩行が困難になるケースもあります。
膝の症状は、早期に適切な対応を行うことで進行を抑え、改善が期待できる場合が多くあります。気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。
当院では、寝屋川市を中心に地域密着型の整形外科として、膝関節疾患の診断・治療・リハビリテーションを行っております。症状の原因を丁寧に評価したうえで、お一人おひとりに適した治療をご提案いたします。
変形性膝関節症とは、加齢や長年の負担によって膝関節の軟骨がすり減り、炎症や変形が生じる病気です。中高年以降に非常に多くみられる疾患で、膝の痛みで整形外科を受診される方の代表的な原因のひとつです。特に女性に多く、肥満や筋力低下、O脚、過去の半月板損傷などが発症に関与すると考えられています。
膝関節の軟骨は、本来クッションの役割を果たしており、歩行や階段昇降時の衝撃を吸収しています。しかし、加齢や過度な負担によって軟骨が徐々に摩耗すると、骨同士が直接擦れ合うようになり、炎症や変形が進行します。
初期には、「立ち上がりの時に膝が痛い」「歩き始めがつらい」といった軽い症状から始まることが多く、休むと痛みが改善するのが特徴です。進行すると、歩行時痛や階段昇降時痛が強くなり、膝に水がたまる(関節水腫)こともあります。さらに悪化すると、膝が完全に伸びない、正座ができない、O脚変形が進行するなど、日常生活に大きな支障をきたします。
また、症状が進行すると安静時痛や夜間痛が出現し、外出や運動が困難になることもあります。活動量が低下すると筋力低下が進み、さらに膝への負担が増える悪循環に陥る場合があります。
診断には、診察に加えてレントゲン検査を行い、関節の隙間の狭小化や骨棘形成(骨のとげのような変化)、変形の程度を確認します。
治療は、症状や進行度に応じて行います。初期では、体重管理や運動療法、リハビリテーションによる太ももの筋力強化が重要です。特に大腿四頭筋を鍛えることで膝関節への負担軽減が期待できます。そのほか、消炎鎮痛剤や湿布、ヒアルロン酸注射、装具療法などを組み合わせながら痛みの軽減を図ります。リハビリテーションでは、関節可動域訓練や歩行指導、ストレッチなども行います。
前十字靭帯は、膝関節の中心部で大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)をつなぐ、強靭なコラーゲンの繊維束(せんいそく)であり、後十字靭帯と十字に交差して膝関節を支えています。脛骨が前へずれないように機能するとともに、膝関節が滑らかに動くように補助する役割を担っています。この靭帯が損傷、または断裂することを前十字靭帯損傷といいます。スポーツの活動中などに、一度の大きな外傷で発生します。ラグビーや柔道で、選手同士の接触により膝を強くひねったり、バレーボールやバスケットでのジャンプ着地時に強い衝撃を受けたり、サッカーやバスケットでの急な方向転換などが原因で起こります。スキーの転倒などでも多い膝の外傷です。
半月板は、大腿骨(だいたいこつ:太ももの骨)と脛骨(けいこつ:すねの骨)の間に存在する軟骨性の板で、左右の膝関節に2枚ずつあります。アルファベットの「C」に似た形状で膝の内側と外側にあり、膝のクッションとして機能し、周辺の関節軟骨を保護する役割を担うほか、膝の安定化や脚の屈伸もサポートしています。この半月板が傷ついてしまった状態を半月板損傷といいます。膝をひねったときに大きな力や衝撃が加わると起きやすく、スポーツなどで急な切り返しをしたときによく起こります。また、半月板は加齢とともに変性するため、中高年になると急ぎ足や段差を越えたときなど、ちょっとした動作でも損傷することがあります。変形性膝関節症に伴って内側の半月板損傷が起きる場合もあります。
半月板を損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかり感が生じます。ひどくなると膝に水がたまって腫れたり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態を起こし、激しい痛みで歩けなくなったりすることもあります。一旦損傷すると自然治癒する可能性は低く、放置すると損傷が大きくなり症状が増悪します。
治療には保存的治療と手術治療があります。保存的治療ではテーピングやサポーターで患部を固定し抗消炎剤・鎮痛剤などを用いるほか、リハビリを含む運動療法を行います。中高年の変性断裂の場合はヒアルロン酸の関節内注射を行うこともあります。
膝窩嚢胞とは、膝の裏側(膝窩部)に関節液がたまり、袋状に腫れる病気です。「ベーカー嚢胞」とも呼ばれます。変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなど、膝関節内に炎症が起こる病気に伴って発症することが多く、膝関節内で増えた関節液が後方へ流れ込むことで嚢胞が形成されます。
症状としては、膝裏の腫れや違和感、つっぱり感などがあります。小さい場合は無症状のこともありますが、大きくなると膝の曲げ伸ばしがしづらくなったり、歩行時に違和感を感じたりします。
まれに嚢胞が破れると、ふくらはぎに急激な痛みや腫れが出現し、深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)と似た症状を示すことがあります。
治療は、原因となっている膝関節疾患の治療が重要です。保存療法として消炎鎮痛剤やリハビリテーションを行い、必要に応じて関節液や嚢胞内容液を穿刺吸引することがあります。
腸脛靭帯炎とは、太ももの外側を走る「腸脛靭帯」が膝外側で擦れることで炎症を起こし、膝の外側に痛みを生じるスポーツ障害です。「ランナー膝」とも呼ばれ、長距離ランナーに多くみられます。ランニングや自転車、登山など、膝の曲げ伸ばしを繰り返すスポーツで発症しやすく、オーバーユース(使いすぎ)が主な原因です。O脚や柔軟性低下、筋力バランス不良なども発症に関与します。
症状としては、膝の外側の痛みが特徴で、走行中や運動後に痛みが出現します。初期は運動時のみですが、進行すると歩行時や階段昇降でも痛みを感じるようになります。
治療は、まず運動量の調整や安静が重要です。ストレッチやリハビリテーションによって腸脛靭帯や股関節周囲の柔軟性改善を行い、フォーム修正や体幹・股関節筋力強化によって再発予防を図ります。症状が強い場合には消炎鎮痛剤や注射治療を行うこともあります。
膝関節内の軟骨が傷んだり、剥がれ落ちたりする疾患で、成長期の小中学生男児に比較的多くみられます。膝の大腿骨(太ももの骨)の外側よりも内側に発症することが多く、まれに膝蓋骨にも起こります。スポーツなどで繰り返される軟骨へのストレスや強い衝撃によって、軟骨の下の骨に負荷がかかることが原因と考えられています。
初期は、運動後に膝の不快感や鈍痛がある程度でほかに特異的な症状はなく、痛みがあっても運動はできます。しかし進行して軟骨の表面に亀裂や変性が生じてくると痛みが強く現れ、スポーツなどに支障がでてきます。軟骨が剥がれて軟骨片が関節の中に遊離すると、膝の曲げ伸ばしの際に引っかかり感やズレ感が生じます。大きな軟骨片が遊離すると膝の中でゴリッと音がしたり、関節に挟まると膝がロックして動かなくなったりすることもあります。
早期に診断がつけば安静や免荷(荷重をかけないこと)などで自然治癒が期待できますが、軟骨の損傷が進行したり、剥がれたりしてしまうと手術による処置が必要となります。早期に発見して治療することが重要な疾患です。
膝蓋腱炎は、オーバーユース(使いすぎ)に起因する膝のスポーツ障害で、ジャンプ動作を繰り返す競技でよく見られることから、ジャンパー膝とも呼ばれています。バレーボールやバスケットボールなどでジャンプや着地動作を頻繁に繰り返したり、サッカーの蹴る動作やダッシュなど、膝の曲げ伸ばしを頻繁に繰り返したりするスポーツで多くみられます。走ることが多い陸上競技でも起こります。日常的にスポーツを行う10代~30代の若い世代に好発する疾患です。また、スポーツでなくても体が硬い人などで、体力増進のためにランニングや急に走ったり、歩いたりすることで発症することもあります。主に膝前面に痛みが生じ、初期では局所の安静で治りますが、進行すると慢性化して日常生活でも難治性の痛みが出てしまうこともあります。
太ももの大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という大きな筋肉の中には大腿直筋(だいたいちょっきん)という筋肉があります。この大腿直筋は、膝蓋骨(しつがいこつ:膝の皿の部分)を越えて膝蓋腱として膝下の脛骨(けいこつ:すねの骨)につながっています。膝蓋腱炎は、ジャンプ動作や屈折動作を頻繁に繰り返すことで、膝蓋腱に損傷や負担が蓄積して起こると考えられていますが、運動による疲労によって大腿四頭筋の柔軟性が低下することも要因の一つとされています。
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